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「危機的文化財ツアー」に50人、”原宿団地訴訟”からも参加

「危機的文化財ツアー」に50人、”原宿団地訴訟”からも参加

 原宿団地の建て替え訴訟の原告団も参加する「危機的文化財現地バスツアー」が3月6日(土)に開催され、約50人が参加して、危機的状況にある文化財や住環境を守るために、何が必要なのかを考え、交流した。
 当日はまず、飯田橋西口地区市街地再開発事業に伴って、「江戸城外堀跡史跡」に指定されている「枡形石垣」をはじめ牛込見附の史跡が人口地盤で覆われる方向にあり、近辺の商業や住環境にも多大の影響が懸念されている現場で説明を受け、周辺を視察。
 その後、周辺に巨大マンションの計画があって、原宿団地と同様に「総合設計」に基づく「公開空地」の特例適用のあり方が争点となっている浅草寺周辺や旧万世橋駅、ニコライ堂周辺、小石川後楽園、東大赤門、元町小&元町公園、駒形橋、淡路画廊、歌舞伎座、聖路加病院、東京駅周辺・中央郵便局など20カ所をバスツアーした。
 文京区では、筑波大学東京キャンパス(旧東京教育大学)とは、湯立坂を挟んで向かい側の「銅(あかがね)御殿」と呼ばれる旧家が、隣地のマンション建設着工に伴って、振動などの被害を受けて壁にヒビ割れが発生、景観も一変を余儀なくされている実態がクローズアップされた。
 中央区では、関東大震災の復興事業として建設された「復興小」として知られる明石小学校、中央小学校の保存運動、東京駅周辺では中央郵便局の建て替え・保存問題が、焦点となっている。
 ツアーに参加した、原宿団地建て替え訴訟の原告側代理人で、同団地隣接地の妙圓寺に生まれ育ち、今も住む本間久雄弁護士は、「開発の名によって、歴史ある文化財や良好な住環境が失われるのは、いかにも残念。原宿団地には、上から見ると6角形で、星型をした“スターハウス”があり、これも一種の文化財であって、保存してしかるべき」と語った。
 原宿団地の塀には、今春4月から建て壊し予定と掲示されていたが、同弁護士によると、「訴訟問題もあってか、着工は10月以降に延期された」という。
 この訴訟の第1回口頭弁論は、3月12日(金)午前10時30分から、東京地裁522号法廷で行われる。
 原告団・弁護団では、原告住民3人の意見陳述を準備している。
 また、原告団では今後、「”ただいま訴訟中”の横断幕を、周辺一帯に掲げ、広く世論に訴えたい」としている。
(2010-03-07)

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