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「ハチ公バス」が表参道を走る
高齢者や障害者はややもすると自宅に閉じこもりがちになるものだが、こうした人たちの外出を助けるためのバスが、来年から原宿を走る可能性がある。
渋谷区は民間バス会社2社と提携し、渋谷区コミュニティバス(愛称・「ハチ公バス」)の運行を平成15年3月から始めている。当初は恵比寿・代官山エリアを循環する「夕やけこやけルート」のみの運行であったが、翌16年9月には本町・笹塚エリア循環のルートの運行も始まり、こちらは「春の小川ルート」と名づけられている。
これら2コースの運賃はともに1回100円。平均して200円以上の既存路線バス運賃と比べても格安だが、実はこのバスには高齢者・障害者の社会参加支援のほか、区営施設の利用促進という目的もある。従ってバス停にも「渋谷駅東口」や「恵比寿ガーデンプレイス」などお馴染みの場所に加え、「渋谷区図書館入口」、「高齢者ケアセンター」、「郷土博物館・文学館」など公共施設の名前が目立つ。
鮮やかなオレンジ色の車体と、ボンネットに描かれた愛らしいハチ公の顔は子供たちに好評で、ハチ公バスに乗るために他県から家族連れが訪れることもあると言われる。また、娯楽施設の多い恵比寿・代官山エリアでは、他区在住者の利用も増えている模様で、平成17年には恵比寿・代官山循環のルートで29万1,601人、本町・笹塚循環ルートはで14万4,124人の年間乗客数を確保している。
とはいえ、いかんせん運賃は格安であり、加えて主要バス停である各施設にしても必ずしも人気施設ばかりではない。こうしたことから「渋谷区コミュニティバス」は未だ採算は取れない状況が続いており、改善の必要性も叫ばれてきた。従って現行の2ルートに加え、より収益性の高いルートでの運行も視野に入れられるようになったわけだが、その最も有力な候補として、現在神宮前・千駄ヶ谷エリアが想定されている。渋谷区は18年度中に、同エリアにおける「コミュニティバス」の潜在的な需要を調査する方針をすでに固めており、早ければ平成19年にも原宿での運行が始まる模様だ。
しかしながら、噂される地下鉄の再開発計画の行方によっては同エリアでのバス運行を抜本的に見直す必要もあり、何より恵比寿や本町とも異なる、原宿ならではの地域的特色も見過ごせない要素だ。果たして来年、「ハチ公バス」は表参道を走るだろうか?
(2006-02-28)
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