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ひと足早い春の風景 −都立高校合否発表−
3月1日、都立高校の一般入試合格発表が行われた。朝から雨とあいにくの天気となったが、渋谷区神宮前2丁目の都立青山高等学校では、少しでも早く合否を知りたいと押し寄せる多数の受験生の姿が見られた。
幾人か、一人でやってきて掲示板をしばらく眺めては、何も言わず去っていく子供の姿も見られたが、その一方で父母と一緒に自分の番号を見つけ、歓声を上げながら喜び合う受験生も少なくない。
青山高校は平成16年度から進学指導重点校に指定されており、それに伴い公立校の統一入試問題ではなく自己作成問題による入学試験を実施している。受験生からはその対策の難しさを振り返る声が多く聞かれたが、この日見事に第一志望だった同校に合格した米山由美子さんもその一人だ。春からは練習熱心なことで知られるバトミントン部に入部するとのことだが、勉強も忘れることなく励み、3年後には大学の教育学部を受験してゆくゆくは小学校の先生になりたいと語ってくれた。それを隣で聞いていた由美子さんのお母さんは、「高校の3年間で、人間的に成長してくれることが何よりの願い」と目を細める。
毎年この日を格別な思いで迎えるという同校校長の近藤京志氏は、「難易度の高い我が校の自主作成問題に、たいへんな努力で取り組んできた生徒たちの期待に応える責任を感じる。生徒の自主性を重んじる校風を掲げているが、だからといって無責任に放任するわけでは全くない。生徒には本当の意味での自由と規律を学んでもらい、3年の間に伸びてもらいたい」と語る。
少子化が叫ばれる中、渋谷区では今年も約1千人の子供たちが高校へ進学すると見られる。
(2006-03-01)
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