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「放課後クラブ」に集まる、教育関係者の視線

「放課後クラブ」に集まる、教育関係者の視線

 渋谷区では、保護者が働いているなどの理由で面倒を見ることができない児童たちが放課後過ごすための場所として、区内11箇所に「学童館」を設置している。だがこれらは必ずしも学校から近くなく、低学年の足では40分以上掛かる場合もあったという。さらに加えて定員制ということもあって、近年保護者からは不満の声も上がっていた。区はこれを受け、平成17年度からより安全で利用しやすい場所として「放課後クラブ」の設置を進めており、18年度からはさらに6校が新たに加わる見通しだ。
 学童館が定員制で限られた児童しか利用できなかったのに対し、「放課後クラブ」はスポーツ安全保険として年間500円を払うことで全ての児童が登録可能だ。原則学校の教室を改造して利用するため、遠く離れた場所に移動する必要はなく、また違うクラスはもちろん違う学年の子供と交流する機会が増えるという。年末年始を除いて土日、学校の長期休み期間中も実施しており、土日には閉館してしまう「学童館」と比べ、保護者の個別の都合にも格段に合わせやすいのが特徴といえる。
 実際に「放課後クラブ」の運営に当たるのは、渋谷区から委託された第3セクター「渋谷サービス公社」の職員だ。同公社から派遣される指導員は、全員が児童福祉員ないしは教員の資格を持っているが、これに加え地域の有志を「サポーター」として募り、地域と連携して子供たちのケアを行っている。
 渋谷区中心部に近いある小学校では、過去には低学年児童が自宅に帰っても、保護者が仕事のため不在で宿題を見てもらえず、結局できないまま翌日登校し気落ちしてしまう例も散見されたという。しかし、「放課後クラブ」開設後は、校庭や校内で他の子と遊ぶ一方、宿題の指導もしてもらえるようになったおかげで元気になったとの報告もあり、児童の精神衛生上の効果も注目されていた。同校の「放課後クラブは」今年1月に開設されたばかりだが、すでに全校児童の4分の1が登録しており、4月の新学期にはさらに倍増もありえると聞く。
 現場の指導員からは、「児童、保護者の方、指導員、学校の間でスムーズな連携が取れるには、今後さらになるノウハウのみ上げが必要」といった声も聞かれるが、今議会においても、「放課後クラブ」が特に注目を集めていることは間違いない。(2006-03-03)

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原宿新聞編集長 佐藤靖博

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