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NPO「渋谷・青山景観整備機構」、提案内容まとめる 渋谷駅周辺を世界的商業・観光ストリートに
渋谷、原宿、青山を三角形で結ぶエリアを世界に冠たる一大商業・観光拠点にしようと構想し注目を集めるNPO団体が、このたびその渋谷駅周辺地域に関する提案内容を明らかにした。
特定非営利活動法人 「渋谷・青山景観整備機構(SALF)」(理事長・井口典夫青山学院大学教授=写真)」の活動目標は、「美しい国づくり」「都市再生」「観光立国」の三つ。SALFが重点的な改善対象のひとつとして見ているのが、宮下公園から渋谷駅までの330mの区間、そして駅の南側から並木橋付近までの渋谷川流域だ。
宮下公園は渋谷駅から徒歩3分と至近で緑も豊富だが、今やホームレスの溜まり場となって山手線の車窓からも青いテントが目立ち、一般の人も利用しにくくなっている。また恵比寿方面に伸びる渋谷川も、下水で汚れた川面がさらけ出しになっているのが現状だ。
このエリアの景観悪化は、渋谷駅周辺の潜在的活力を大きく損なっているが、景観改善策しだいでは世界屈指の商業、観光拠点の顔として再生することも可能とSALFは見ている。
SALFの構想では、駅の南側から並木橋にかけてのむき出しの川は、蓋をして完全に塞ぐ。川を浄化して復活させるべきとの主張も他方にはあるが、それに対し井口教授は「緑と、(トイレ、水飲み場など施設面も含めた)水、駅のターミナル、ひとつの場所にこの3つが揃うとどうなるか?間違いなくホームレスの溜まり場になる。同じ川でも、人の(流れる)川にした方が夜も安全だし、渋谷の活力にもつながるはず」と真っ向から反対する。
蓋をされた渋谷川の上に新しく開けるスペースには、東京都や渋谷区の協力を得てミニシアターやカフェなどの店舗、あるいはベンチャー起業家のオフィスや新進デザイナーのアトリエが入居できる長大な商業施設を建設する。家賃は格安にし、才能ある起業家や芸術家の結集を促進。ただし入居資格は企画書の出来や受賞歴などで厳しく審査するのが条件だ。
そして宮下公園横の区間には、例えばヨーロッパの港町に匹敵する大規模食料市場を開設する。そこでは一般以外にもやる気のあるホームレスを求人し、彼らの雇用を確保し公園に逆戻りさせないという配慮だ。
現在SALFには井口理事長以下、浜野総研CEOの浜野安宏氏、建築家で日本景観学会会長の黒川紀章氏、森ビル社長の森稔氏、神宮前地区町会連合会会長の半田庄司氏らが理事として名を連ねる。これら各氏、各企業の協力を得て、2016年にオリンピック招致を目指す東京都の施策を、神宮外苑周辺地域の整備計画にリンクさせるというのもSALFの狙いだ。
地域の持つ潜在力を効果的に引き出すプランとしてSALFの構想は魅力を感じさせるものだが、この理念を余すことなく実現できるか否かは行政サイドとの継続的な調整努力に掛かっていると言え、今後も同団体から目を離すことなく追っていく必要がありそうだ。
(2006-04-03)
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