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【知事会見】築地市場の豊洲移転を決断、「議会が結論出せないなら知事が」と

　東京都の石原慎太郎知事は10月22日（金）の定例記者会見で、「築地市場の豊洲移転を決断し、全力をあげる」と、正式に表明した。「25年以上前の鈴木都政時代からの懸案事項であり、ダラダラと先送りされて展望が示されず、議会が結論を出せずに決めかねるなら知事が決断し、財政面も考えて宿題に区切りをつける」と強調。今春の都議会での「検討結果を尊重する」という付帯決議や、延長・継続審議を決めている特別委員会の意向、民主党をはじめ反対・慎重論の強い政党・会派の反発なども「論議も、意向調査も、やり尽くした」と押し切って、強行する形となった。
　また、「現在地での再整備案は、すべて順調に進んでも10数年かかるのが致命的欠陥。時間的限界もあり、これ以上待てない」と批判、「すでに老朽化が進み、耐震性も問題。時代遅れの施設では限界があり、ジリ貧になる」として、「首都圏3300万人への安定供給、食の安全・安心を考え、何が肝心かを認識すれば、着地点は自ずと明らか」「土壌汚染問題は学者・専門家の英知を借り、先端技術を活用すれが克服できる。困難な問題を抱えている現地の業者とも、支援策などもよく話しあって、一刻も早く進めたい」と述べた。
　さらに、1281億円の移転関連予算は、凍結を解除して全額を今年度中に執行することも表明。
　ただ、「知事の任期はあと半年ほど。来春の知事選の争点になることも想定され、いま推進を決断しても、実質的には新知事の判断になるが」という質問には「きわどい質問には、ノーコメント」と、微妙にかわした。
　続けて行われた中央卸売市場長らによる補足会見は、①築地市場を取り巻く厳しい現状②現在地再整備の問題点③豊洲新市場の整備――の3点から推進論を後押し。築地市場の跡地利用は移転の財源が前提という認識も示され、豊洲の用地売買や586億円にのぼる土壌汚染対策費の東京ガス負担割合などについては「交渉中」相手のあること」として、明らかにしなかった。
　今後の事業スケジュールについては、まず、用地取得のための鑑定評価を行い、鑑定終了後、すみやかに用地を取得。土壌汚染対策は、今年度から来年度にかけて環境影響評価・都市計画決定・詳細設計（発注手続きを含む）を行い、その後、20カ月かけて2012年度末までに終える。市場建設事業は、2012年度半ばまでに発注手続きを含む基本・実施設計を済ませ、建築工事に30カ月をかけて、2014年度末での開場を予定している。

（2010-10-22）

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