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神宮前小1,2年生、巨匠と絵のコラボレート
神宮前小学校の児童約40人とイラストレーターの黒田征太郎氏が28日、青山でコラボレーションを行った。衣食住について考えることで人間性の回復を目指す、黒田氏のライフワーク「ピカドン・プロジェクト」の一環だ。
黒田氏は1994年、野坂昭如氏の「戦争童話集」に感銘を受けたのをきっかけに映像作品「忘れてはイケナイ物語」を制作。以後継続的に、「衣食住」の問題について考えることで、人が本来持っている豊かな心を取り戻そうとする総合芸術運動「ピカドン・プロジェクト」を行っている。
神宮前小学校の1,2年生を招いての今回の「ピカドン」は、「子どもたちに衣食住をテーマに絵を描いてもらう企画」の筈だったが、実際に子どもたちを前にした黒田氏は開口一番、「今日はみんなに絵を描いてもらいますが、描きたくなければ描かなくてもいいよ」と宣言。
原爆のきのこ雲を描いてみせ、「これをひっくり返すとフラスコ(の形)になるね。ここに君たちみたいな種を蒔いて、水とか栄養をあげると、きれいな花が咲きます」と自身の考える「ピカドン」についてごく簡単に説明。それだけ済ますと、「さあ、描こう」と送り出す。
子供たちは各自白い紙を与えられた組と、紙ではなく、ただ目の前の白いテーブルに布が張られている組に。すぐに思い思いに描き始めるが、紙グループの子どもたちもやがて描線が大きくはみ出すようになり、テーブルの布に直接描き始める。引率の先生の一人が慌てて「そんなところに描いていいの?」と児童に尋ねるが、黒田氏にすればこれはむしろ期待通りか。
子どもたちの創作過程を眺めていると、花を描く子、怪獣を描く子、思いのままひたすら何色もの円を描き殴り何かの模様を作る子と様々。一部の子が飽きて遊び始めたところで、「じゃあ次は、壁に描いてもいいよ」とサプライズが。
子どもたちは当然さらに大喜びで描き始める。ある子がいきなり、絵ではなく友だちの名前を書き始めると、自分の名前を書かれた当の子も、大はしゃぎで相手の名前を2倍大の字で書いてやり返す。結局書いてはやり返すうちに、この一帯だけひらがなの人名で一杯に。
最後は会場の床まで絵で埋め尽くしたところで、子どもたちは午後の授業ため学校へ帰還。引率の山田先生(図工)は、「大人も羨ましいこんな経験ができたのだから、この子たちが大人になった時、ものすごく沢山の選択肢を思いつける人になっていて欲しい」と語る。
子どもたちが去った後、大人のスタッフたちを前にして黒田氏は一転して厳しい口調に。「子どもにとって貴重な経験になって欲しいのはもちろんだけど、彼らの作品を見た大人たちが各々何を思うかも大事。今の日本の現状を見ると、今7歳のあの子達が大人になる13年後にこの国があるのか、とても不安になる」
この日子どもたちが描いた作品は、黒田氏らスタッフがTシャツやバッグなどに加工した上で北青山「クリ8ギャラリー」で展示される。5月3日(水)〜9日(火)まで。
PIKADON PROJECT
黒田征太郎氏インタビュー
クリ8ギャラリー(2006-04-28)
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