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「水災の5月」迎え 水防月間キャンペーンはじまる

「水災の5月」迎え 水防月間キャンペーンはじまる

 渋谷区では例年5月に集中豪雨による水害が発生しているが、今年から渋谷消防署でも、5月を水防月間と定め区民に警戒を呼びかけている。
 昭和57年から平成16年までの気象データをまとめた東京都資料によると、5月の降水量(総数)は台風の集中する10月(780.0mm)、9月(195.0mm)に次いで3番目(149.0mm)。しかし台風情報が頻繁に報道される9月、10月と異なり、水災に関する報道が相対的に少ない5月は区民の側も警戒心が薄れがちだ。そのため消防署では、この季節の水害は発見が遅れやすい傾向があると指摘しており、その分人命に関わるリスクも高いことを懸念している。
 また、渋谷駅を中心にすり鉢状の谷を形成している渋谷区は、台風とは無関係な局地的な集中豪雨であっても、駅周辺の地下街に雨水が流れ込みやすい独特の地形だ。従ってたった一日の集中豪雨であっても、極端に水災が拡大しやすい特性が以前から指摘されている。
 昨年の5月も、渋谷区では集中豪雨によって3件の床上浸水の被害が発生した。これらを含め最近報告された例の多くは地階に水が流入するケースだが、地階にいると外の雨の状況が分からず、地下に雨水が流入しても発見が遅れがちになる。
 また意外なことだが、水災で最も危険なのは居室の内部にまで水が流れ込まず、室外の水位が一方的に高まってしまうケースだという。なぜなら、このように室内と室外の水位に30cm以上(人間の体で言えばひざ下程度)差がついた場合、水圧によって成人男性の力でもドアが開かなくなり、閉じ込められてしまう危険があるからだ。 
 こうしたことから、「特に雨の日の大半を地下街で過ごす店舗関係者の皆さんは、少なくとも台風シーズン並の警戒を払って気象情報に耳を傾けて欲しい」と、消防署では訴えている。
 なお今月5月20日には、水災に備えた水防演習を渋谷消防署と渋谷区の合同で行うことが予定されている。会場は渋谷区代々木5丁目の代々木小公園。時間などは未定ということだが、消防署では水災の危険を訴える数少ない機会ということもあり、多数の区民に参加を募っている。

東京消防庁<インフォメーション><都市型水災にご注意を!!>


渋谷消防署



(2006-05-01)

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