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「羽澤ガーデン訴訟」で初の現場検証、東京地裁が11月２２日に

　歴史的にも由緒ある羽澤ガーデン（渋谷区広尾３丁目）を乱開発から守ろうと、東京都と渋谷区を相手に、マンション建設の差し止めを求める住民訴訟の現場検証が、東京地裁民事38部によって11月22日（月）午後1時から、現地で行われた。文化財・環境問題をテーマとする行政訴訟で、裁判所の職権による正式の現場検証が行われるのは初めてとされ、原告団・近隣住民などのほか、テレビをはじめ報道関係者、外国人アーティストなども多数駆けつけ、関心の大きさを浮き彫りにしていた。
　現場検証は裁判官3名・書記官1名と、原告側が弁護士を含め6名、被告側（東京都、渋谷区）６名の合計16名で行われ、まずは敷地面積約8527平方㍍に及ぶ羽澤ガーデンの外周から。定評のある正門内の庭・建物などの検証は、関係者のみに制限されたが、事前によく準備されていたこともあって、手際よく進められ、当初予定の2時間を大幅に切って1時間余りで終了した。
　「渋谷区広尾3丁目マンション計画」（仮称）は、三菱地所が施工者となって、建築面積4260平方㍍、地上3階・地下３階、延べ床面積2万1500平方㍍、高さ約12㍍、（最高17㍍）の大マンションを建設しようというもの。
　羽澤ガーデンは、満鉄総裁・東京市長などを歴任し、夏目漱石の親友としても知られる中村是公の屋敷跡で、都心に残る“唯一の近代和風建築物”とされるだけに、「環境と文化を守ろう」とする住民たちは原告団（橘充自団長）を結成して、2007年10月に提訴。
　有名人・文化人らも、栗山尚一・元駐米大使、前野まさる・東京藝大名誉教授を総務理事に、詩人・作家として著名な辻井喬、大岡信、半藤一利、加賀乙彦の各氏ほか50名が設立発起人となって「羽澤ガーデンの文化財と景観を守る会」を結成し、重要文化財指定と保存を要請する署名運動を繰り広げるなど、支援を強めている。
（2010-11-22）

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