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鳩森薪能 「半蔀」(はしとみ)

鳩森薪能 「半蔀」(はしとみ)

 5月19日(金)の夕刻より鳩森八幡神社能楽にて、渋谷区教育委員会の後援のもと「第5回鳩森薪能」が開催される。
 演目は能「半蔀 立花供養(はしとみ りっかくよう)」(シテ=櫻間右陣氏)と狂言「蚊相撲」(シテ=三宅右近氏)。
 「半蔀 立花供養」は、「源氏物語」夕顔の巻から題材を取ったもの。その筋は、山城国に住む僧が夏の終わりに供養をしていると、どこからとなく女が現れ、夕顔の花を手向ける。不審に思った僧が素性を尋ねるが、五条あたりの者とだけ答え女は姿を消してしまう。僧が五条に女の後を追うと、夕顔の女の霊が草の半蔀を押し開けて現れる。女はその昔、光源氏と歌のやり取りをして契りを結んだという身の上話を語り、舞を舞うが、やがて夜の明けぬうちに供養をしてくれと僧に頼み、再び半蔀の中に姿を消してしまう、というものだ。
 シテ(舞台上で舞を舞う主人公)である櫻間右陣(さくらま・うじん)氏は、シテ方金春流、櫻間家の第21代当主。重要無形文化財総合指定保持者。全国の各能楽堂、国内各地の薪能で公演を重ねたほか、アメリカ、スイス、フランス、オーストラリア、カナダ、オランダ、中国、ドイツ、ポルトガルの各国で海外公演を行った、現代能楽界を代表する第一人者のひとりだ。
 櫻間氏はまたNHK大河ドラマなど、テレビ番組で演能場面が必要とされる際の積極的な協力でも知られている。従って過去にも、「武田信玄」、「信長」、「利家とまつ」などで、櫻間氏の熟練の技をそれと知らずに見ている人が日本中に相当数いるだろうということだ。
 開場は夕方5時30分で、開演の予定時刻は午後6時30分。演目の伝統もさることながら、会場となる鳩森八幡神社も860(貞観2)年の創建と古い歴史を持つ神社であり、春の夜の薪能を楽しむに相応しい、幻想的な環境といえるだろう。


日時: 5月19日(金) 午後5時30分開場 午後6時30分開演
場所: 鳩森八幡神社能楽殿(千駄ヶ谷1-1-24)
内容: 能「半蔀 立花供養」(シテ=櫻間右陣)
狂言「蚊相撲(かずもう)」(シテ=三宅右近)

定員: 350席(先着順)
チケット料金:前売券3,000円、当日券3,500円(いずれも自由席)
 
問い合わせ:【申込期間】4月15日(土)〜チケット完売まで【チケット販売】櫻間会(電話03-5772−2677)、鳩森八幡神社(電話03-3401−1284)

櫻間会(2006-05-17)

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