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”銅御殿”訴訟で「風害」重視の証拠提出、12月22日、学者の意見書など

”銅御殿”訴訟で「風害」重視の証拠提出、12月22日、学者の意見書など

 国の重要文化財、近代和風木造建築の傑作とされる「銅御殿」に隣接して計画中の高層マンションに、建設確認を出したのは違法として、その取り消しなどを求めて文京区などを相手に提訴している住民訴訟の第4回口頭弁論が12月22日(水)、東京地裁で行われた。
 原告側からは、高層マンション建設に伴う“風”の被害を重視して、日大理工学部の新宮清志教授(日本建築学界副会長)の調査報告書や東京大学の塩谷義名誉教授の研究・意見書などが、証拠として提出された。風害については、単に“風圧”だけでなく、“共振”によって一層の被害の甚大化を招く実態を強調、今後さらに銅御殿に特定した、より具体的な調査・鑑定などで補強していく。
 また、指定検査機関である財団法人住宅金融普及協会は、都市計画法の精神に照らして、一定面積以上の大規模開発が周囲に及ぼす影響をも考慮して建築確認すべきであり、特定行政庁である文京区は、違法建築に対する是正命令の権限を行使せよと、強く迫っている。
 銅御殿を中心とした文京区湯立坂周辺の良好な景観と住環境を守る住民訴訟は、報道関係者らの関心も高く、重要文化財など歴史的建造物に関しては、「単体ではなく、その周辺も含めて全体として守ることが重要」とされ、行政も含む総合的な対応の強化が求められている。
 この住民訴訟の次回弁論期日は、来年3月1日(火)午前11時、東京地裁705号法廷。
 なお、文化庁に対して、文化財保護法に基づく適切な指導責任を果たせと迫っている“確認・義務付け訴訟”の第3回口頭弁論の期日は、来年1月27日(木)午前10時15分から、東京地裁522号法廷で予定されている。
(2010-12-22)

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