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都営住宅より86歳独り暮らし男性の遺体

都営住宅より86歳独り暮らし男性の遺体

 渋谷区渋谷1丁目の都営住宅「都営宮下町アパート」の1号館301号室で、30日午前11時頃、一人住まいの男性(86歳)が亡くなっているのが発見された。男性はこの部屋の住民で、ここ一週間ほどアパート内で姿が見かけられなくなっていたが、不審に思った付近の住民が通報することで今回の発見に至ったものだ。
 この日、男性の部屋の玄関には毎朝配達される朝刊が5月24日から1週間分取り込まれることなく溜まっており、同じ階には連日の暑さもあって異臭が垂れ込めていた。男性は朝刊の日付と同じ24日頃からアパート内でも姿が見かけられなくなっていたが、30日の朝になって異状に気づいた付近住民により、アパート管理者である住宅供給公社に通報が為された。
 連絡を受けた住宅供給公社では、間もなく警察と消防署に出動を要請。救急隊が駆けつけたところ玄関ドアは施錠されていたが、梯子を使ってベランダから3階にある男性の部屋に進入した。救急隊が踏み込んだところ、浴槽の中で死後一週間ほど経過し、すでに腐乱状態になった男性の遺体が見つかった。
 アパートの他の住民によれば、男性は昔からこの都営アパートに住んでいたものの、身寄りなど個人的なことについて知る人は住民の中にも少なかった。現在渋谷署では、男性の死因、死亡した日時、身寄りの有無などについて調べを進めている。
 渋谷区の調査では、同区には家族などと同居することなく、一人住まいをする75歳以上の高齢者、いわゆる「独居老人」が約3,500人いると報告されている。近年、こうした独居老人が誰にも知られることないまま家の中で亡くなり、死後数日ないしは数ヶ月(ケースによっては1年以上)経過してから発見される「孤独死」が、都市部を中心に急増していると言われている。


(2006-05-31)

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