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「モデルに興味はありませんか?」 街頭スカウトの言葉の裏(1)
竹下通り、表参道などを歩く女性に「モデルにならないか」「アンケートに協力してくれ」などと声を掛け、言葉巧みに事務所に誘ってアクセサリーなど高額商品を売りつけるキャッチセールスが、近年その手口をますます巧妙化・悪質化させている。「有名になりたい」「綺麗と言われたい」という若者・女性の普遍的心理に付け込むそうした卑劣な手口の数々について、各地の消費者センターにもたらされた相談例を取材した。
平成14年の統計によれば、東京都各地の消費者センターには、路上で呼び止められ言葉巧みに言いくるめられた挙句、高額商品を買わされるいわゆる「キャッチセールス」の被害相談はこの年全部で2864件持ち込まれた。そのうち84%に当たる2390件は29歳以下の若年層からのものだったが、相談者の層をより詳細に見ると、その大半は高校生くらいから20代前半までの女性からのものだったようだ。
具体的には、「『モデル(タレント)にならないか』と誘われ契約書にサインしたが、高い金額を払ってアクセサリーを買わされただけで、その後モデルの仕事など全く紹介してもらえない」というもの。あるいは「『プレゼントをあげるので化粧品や健康食品のアンケートに答えてくれ』と頼まれ答えたが、プレゼントを受け取るため連れて行かれた場所で、高額な化粧品の契約をさせられた」などで、ほとんどの相談内容は、この2パターンのうちどちらかか、よく似たものとなる。
これらキャッチセールスの被害相談が突出して多いのが、竹下通りと表参道の原宿エリア。最近ではこれに加え、渋谷センター街のほか新宿、池袋にも流れる傾向があるという。
「モデルになれる」を謳い文句にしている業者の中でも悪質なものは、話に興味を持った若い女性を近くの事務所まで連れて行き、そこで初めて、実はモデルとして働くには、100万円前後するアクセサリーを買うことが条件なのだと告げる。同じくモデル業に必要だからと写真を撮ることも多いようだが、これだけでも9万円前後の撮影費用が請求されるそうだ。
当然、若い女性が易々と払える金額ではないが、事務所で男性スタッフに囲まれる威圧感で帰るに帰れなくなり、多くの場合2〜3時間、長くて4〜5時間もの間拘束されれば女性側も根負けしてしまう。
その間、「100万円くらいのお金は、モデルになって働き出せばすぐに返せる」といった甘い言葉が繰り返され、結局その場を逃れたいあまり契約書にサインしてしまう。なおアンケートを装うパターンも、事務所に連れて行き長時間拘束し、高額な商品の購入を契約させるのは基本的には同じのようだ。
(後半につづく)
「モデルに興味はありませんか?」 街頭スカウトの言葉の裏(2)(2006-06-01)
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