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「Chasing the Whale(鯨を追って)」 人種・ジャンル混交の集団パフォーマンス
これまで野心的な若手芸術家を多数紹介してきた「トーキョーワンダーサイト渋谷」(渋谷区神南 1)で、7日より、人種・母国語・専門ジャンルのそれぞれ異なる芸術家集団による実験パフォーマンスが行われる。
この「Chasing the Whale(鯨を追って)」は、19世紀アメリカ文学の金字塔、メルヴィルの「白鯨」に着想を得た集団パフォーマンス。同作は主人公エイハブ船長が巨鯨モビィ・ディックと対決するまでを描いたものだが、人生・宗教・自然に関する膨大な象徴的事柄に満ちていることで知られている。作中に登場する捕鯨船の乗組員もそれぞれ多種多様な人種から成るもので、近代社会の複雑なありようの象徴とする見方がある。
今公演を行うユニット「Al’abordage(アラボダージュ)」も、南米、ヨーロッパ、中東、日本を含むアジアから集まった8名の芸術家集団だが、各々がダンス、美術、舞台芸術、マルチメディア、ジャーナリズム、人文学、政治学など固有のフィールドで活躍する面々。人種・文化・資質など異質なバックグラウンドを持つ彼らが共同作業を通じて世界や社会について思考し、表現として深めていくことが主題のようだ。
ユニットは4月9日のタイ・バンコク公演を皮切りにフィリピン・マニラ、京都の法然院とすでに公演と重ねており、7日から3日間行われる渋谷公演はこのアジアツアーの集大成に当たるもの。直前のリハーサルを見る限り、パフォーマーたちの演劇性の強い舞踊と、その背景で映像が即興的に刻々と変化していく様子が見られたが、これまで10週間に及ぶリハーサルと公演を通じ、メンバー間の対話と試行錯誤も今が熟成段階に当たるようだ。
(参加アーティスト)
Lucas Tanajura ルーカス・タナジュラ(サルバドル)
Evran Dogan エヴラン・ドーガン(イスタンブール)
Jacob Sejersgaard ヤコブ・サヤーズガード(デンマーク)
Mahmood Salimi マムド・サリミ(カブール)
Sirithorn Srichalakom "MUM" シリトン・シーシャラコム "マム"(バンコク)
Donna Miranda ドナ・ミランダ(マニラ)
Gen Kori 桑折 現(京都)
Noriko Kato 加藤 範子(青森/東京)
期間 6月7日(水)〜6月9日(金) (いずれも午後6時開演)
会場 トーキョーワンダーサイト渋谷
住所 東京都渋谷区神南 1-19-8
Tel 03-3463-0603
Fax 03-3463-0605
料金 無料(寄付は任意)
トーキョーワンダーサイト渋谷(2006-06-07)
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