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東京と地方を結ぶ観光ルート開発 外国人旅行者誘致へ
中国人の「爆買い」に象徴されるように外国人旅行者の拡大とその消費による経済効果に期待が高まっている観光産業。国土交通省は先月、2015年の訪日外国人客数が1900万人を突破(12月19日時点)したと発表。昨年の1341万人を大幅に上回る勢いで増加している。観光庁は昨年10月、訪日外国人消費動向調査で、2015年7〜9月の旅行消費額が前年同期比81・8%増の1兆9億円となり、1四半期で初めて1兆円を突破、7四半期連続で過去最高値を記録したと発表。年間で 3 兆円を超える見通しを示した。
今や観光産業は「自動車産業と同規模の輸出産業に成長し、 5 本の指に入る成長産業となっている」と言われるまでに主力産業化している。
東京都は、この成長産業を活用し、外国人旅行者誘致のため、東京と地方を結ぶ観光ルートの開発や各地の魅力の情報発信を行っている。
その第一弾として昨年10月、東京と東北各地を結ぶ観光ルートを設定し、海外メディア等を対象に招聘旅行を実施した。WEBで英語の専用サイトを立ち上げ、海外向けの情報発信を行っている。第二弾として、中国・四国地域と連携し、新たな観光ルートの開発に向け、都と中国・四国地域、交通事業者による協議会を14日に立ち上げる。
平成26年の宿泊旅行統計調査によると、外国人の宿泊者数は、4482万人(前年比33.8%)。全国すべての宿泊施設を対象とした調査開始時の平成22年(2751万人)から5年間で1.5倍以上の増加となっている。
都によると、地域別の割合(平成26年)は、東京が30%、近畿地方25%、九州地方7.24%、沖縄5.33%、北海道8.68%、東北地方0.9%、中国地方1.54%、四国地方0.63%となっており、「東北や中国・四国地方は、いろいろな魅力はあるが、観光客は少ない」と分析。舛添知事は「潜在的な観光資源の発掘をお手伝いできれば」と話す。
産業労働局観光部企画課は「ビジネスで来日された方でも、安価で手軽に地方の魅力を満喫できる観光ルートを体験して頂くことで、東京と地方間に循環が生まれる。双方にとってwin-winの関係が構築でき、地方創生に繋がる」と話している。
また、年間150万人以上が来場する都庁の人気スポット「展望室(第一本庁舎45階)」の「南展望室」において、今月15日から「日本全国物産展」を開催する。3月31日まで。入場無料。
「井筒八つ橋」(京都府)や「喜多方ラーメン」(福島県)、「有田焼ビアグラス」(佐賀県)など47都道府県から特産品10点程を出品して貰い販売するほか、各地のPRとしてポスター展示などを行う。東京都からは、伝統工芸品の中から「江戸手描提灯」「江戸筆」、東京都地域特産品認定食品の中から「多摩ゆず最中・わらび」「塩(海の精)」などを出品する。
初日の15日は、ご当地キャラの「くまモン」(熊本県)、「まゆまろ」(京都府)が登場し、観光PRを行う。登場予定時間は、「くまモン」が11時〜11時半、「まゆまろ」は13時〜13時15分。多言語対応のタブレット端末の設置や外国語対応可能なスタッフが常駐する。
産業労働局観光部受入環境課によると、平成26年度の「展望室」入室者数は、172万人。うち「南展望室」入室者数は66万人。第一弾の「日本全国物産展」(南展望室)を開催した昨年4月15日〜5月31日までの期間は12万人が入室したという。「昨年初めて実施し大変好評だったため第二弾を企画。一目見て内容が分かりやすい商品や手軽に食べられる商品が人気のようです」。来年度からは通年で開催する予定。
(2016-01-09)
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