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激化するシリア騒乱 内戦で家を崩壊されたシリア人に聞く
中東の火薬庫と化しているシリア内戦。政府軍(シーア派)反政府軍(スンニ派)との内戦にIS(イスラム国)が参戦。3つどもえの混乱とともに米国、ロシアの代理戦争の様相も呈し、事態は収拾のメドもたたない状況だ。シリア人はこの内戦をどう見ているのか。砲弾、銃撃戦で家を崩壊されたシリア人のホッサム(仮名)にその苦悩を聞いた。(写真は彼の住宅近く)。
ホッサムは、ホムス出身。人口約200万人。平和な街だったが、2年前反政府軍が侵攻、銃撃戦などで街は崩壊された。彼の家も破壊されたが、幸いにも父母ら家族はほかの街に命からがら逃走、無事だったそうだ。彼はいま、中東で唯一といっていい平和なUAE(アラブ首長国連邦)のデュバイの街で働いている。この街は産油国のアブダビなどが出資、自由な商業な都市として発展。セレブの街として世界的に有名だ。
彼によれば、この約40年間シリアは平和だった。学校は無料。朝方まで飲食店はオープン、夜中に女性が歩いても危険はなく、自由を謳歌していた。かつて中東のパリといわれたレバノンと同じような治安だったという。変わったのは「アラブの春」と呼ばれるチュニジア内戦から。もともとシリアは人口の約1割のシーア派が政府の実権を握り、多数派のスンニ派(約80パーセント)が支配下にあり、不満が蓄積していた。そのほか、約1割はクリスチャン。
Facebookをはじめネットの普及などから貧困にあえぐ若者たちの不満が爆発、中東各地で暴動が勃発。欧米から中東の「民主化」と言われたが、安定した国はない。例外は、チュニジアだったが、昨年にはテロが発生している。ブッシュはイラク戦争でフセイン政権を打倒、中東の「民主化」をすすめた。が、約17万人の地上部隊を派遣、年間10数兆円の支出を余儀なくされて疲弊、オバマ政権は撤退を決意した。15年の歳月がたったが、治安は安定しない。
スンニ派主流の某大国では女性は運転するとき、シートベルト着用は禁止だという(なぜかは記述できない)。また飲酒は厳禁で、女性が顔を覆う黒い衣装はスンニ派の象徴。こうした敬げんな宗教遵守の反面、一夫4人の妻までは認められているという。シーア派はどちらかといえば自由でキリスト教に近いらしい。こうした宗派の違いは文化、宗教的な問題で欧米の尺度でその「是非」を判断することはできない。
(2016-02-07)
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