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渋谷区第2回定例会議開幕(2) 「廃プラスチックを可燃ごみに」、「学童館廃止」で一時紛糾
8日開幕した渋谷区第2回定例議会では、桑原区長から「廃プラスチックの熱回収」計画に関しても説明が為された。これは現状「不燃ごみ」としている廃プラスチックを、将来的に東京都23区が足並みを揃え「可燃ごみ」に位置づけを変えようというものだ。
渋谷区含む23区で収集された不燃ごみは、都が設置・管理する中央防波堤外側埋立処分場及び新海面処分場で埋立処分されている。だが、近年この容量が限界に近づきつつあることから、埋立地延命の必要が叫ばれてきた。
その結果23区では、これまで不燃ごみとして埋め立てていた廃プラスチックを、平成20年までに可燃ごみとして焼却する方針転換を模索。渋谷区もこれに同調しており、2年後を目標に切り替える方針だ。
桑原区長はそれを踏まえ、プラスチックを可燃ごみとして焼却処分している他都市の清掃工場では、技術の進歩もあって(ダイオキシンなど)安全性に関する問題は発生していないと各会派に理解を求めた。
だが共産党から代表質問に立った五十嵐千代子議員は、「無害を裏付ける科学的根拠が区民には何も示されていない」とこれを真っ向から批判。答弁に立った区長は「(埋立地が限界なのだから)対案を出して欲しい」と反論した。
また、五十嵐議員は同じ代表質問の中で、小学校児童たちが放課後の遊び場として集う「学童館」を全舘閉鎖し、第3セクター運営による「放課後クラブ」に切り替えると区が決めたことも批判(注1)した。さらに大和田小跡地に総工費120億円の複合施設を造る計画にも触れ、「行革の名のもとに学童クラブを廃止し、一方で(不採算と言われる)『第2の植物園』を作ろうとしている。区の税金の使い方が問われている」と語気を強めた。
これに対し区長は「五十嵐議員は学童館の諸問題に目を瞑った批判をしている。定員があるために3年生までしか入れないなど、学童館に多くの問題があったことを五十嵐議員も知らぬはずはない」と不快感を露にした。これに与党の少なくない数の議員が同調し、議場は一時「いいかげんなことを言うな!」といった五十嵐議員に対しての野次が飛び交い騒然となった。傍聴席に座っていた一般の男性がたまりかね、「聞こえないじゃないか!」と怒鳴ったところで遂に議長が「静粛に」と注意を促し、ようやく事態が収まるという一幕があった。
(注1)保護者のいない小学校児童への福祉目的という性格の強い学童館に対し、「放課後クラブ」は専用教室が各学校一部屋しかなく、正規職員も一名のみで大半の職員がアルバイトとボランティアである点を共産党はかねてより問題視していた。これに関しては他党からも、「それぞれの地域性に合わせ、どちらかを閉鎖するのではなく両者を使い分けるべき」とする意見があった。
(2006-06-08)
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