原宿新聞

頻発する暴走事故はなぜ起きるのか。

　窓の外を眺めていたところ、タクシーの運転手さんが突然話しかけてきた。
「あの暴走事故の原因が私にはわかります」一瞬何の話か理解できなかった。
　それは、池袋の高齢者による暴走死亡事故のことであった。どういうことかと尋ねてみると、彼自身も2度ほど経験、ブレーキの下にゴムマットが入り込み、アクセル部分を覆う。このため､ブレーキを強く踏み込むほどマットがクッション代わりになり効かず、逆にアクセルを踏み込む格好になるということだった。彼自身もプロの運転手だが、2度ほど追突事故を経験。追突しないと止まらないほどの状態だったらしい。何が起きているのかわからず止めるのが難しかったといっていた。
　最近高齢者による暴走事故のニュースを頻繁に目にする。何件かの事故では運転者がブレーキを踏んだら加速したと話していた。最近の車はゴムマットが固定されているらしいが、年式にもよるが、以前の車はそうではない。タクシーのブレーキ部分をみせてもらったところ、確かにアクセルと比べてブレーキの方が空間が広い。ここに丸まったマットが入り込むと、ほぼブレーキが効かない状態になる。
　多発する高齢者の暴走事故。年配者なので、ペダルを踏み間違えたのだろうと安易に憶測していたが、仮にこうしたことが原因ならば、悲惨な事故を起こさないために検証とともに注意喚起が必要だろう。

（2019-04-24）