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閉ざされた国ニッポン ワクチンパスポートの考察

 仕事でデュバイ経由、中東の国にきた。貿易業という仕事がら海外出張は必須。ワクチンを2回接種したこともあり、3年ぶりに日本の外に出てみた。仕事もあるが、空港の入管状況など現実はどうなっているのか、自分の目でみてみたいと思った。
 デュバイのトランジットのカウンターでは書類を一人一人チェックされた。必要書類はすべてスタッフが用意してくれた。PCR陰性証明書に必須でないもののQRコードが必要という表現があり、渋谷ではなかったものの新宿で発行できるクリニックを見つけ出し、用意した。ワクチン2回うった証明書は渋谷区で英文の資料を準備、ワクチン2回うち、QRコード付きの陰性証明書。完璧だ。
 空港に降り立つと、当然閑散としていたものの、係員がPCRの費用を払うよう指示。機械で払うのだが、どういう費用かその時は理解できなかった。入管を通過、レーンの流れに添っていくと、一階は巨大なPCR検査場だった。50席近くある検査デスクにものものしい白い防護服をきた女性たちが待機、書類をみせたあと、いきなり綿棒を鼻に突っ込まれた。スタッフが携帯にアプリを入れてくれていたので、登録。PCRの検査がでる10時間ぐらいはホテルで待機してほしいと告げられた。同時に店に入店できる証明書のようなカードも手渡された。
 翌日アプリで陰性が通知、自由に動けるようになった。
日本では26日からワクチンパスポートが発行されるらしい。対象国はイタリアなど7か国。当該国での隔離や待機処分が免除されるらしい。翻って日本はどうか。
 私は29日ごろ帰国予定だが、陰性でも2週間の自宅待機。デュバイから帰ると6日間の隔離のほか、トータル14日待機状態らしい。ワクチンを2回接種、陰性で証明書もある日本人が帰国したら2週間の自宅待機。成田の検疫所にきいたら、月曜からパスポートが発行されるというものの24日現在ワクチンを打ってようが、打ってまいが関係ないらしい。それではワクチンパスポートとは一体何なのか。海外には隔離を免除しろと要請、日本は免除しないという方針か。そんなアンフェアなパスポートが一体世界中のどこに存在するのか。きのうイタリア在住の日本の人と話したら、このコロナやオリンピックの対応で日本は笑いものになっていると嘆いていた。
 かつて私が尊敬する大森実というジャーナリストは日本の企業は一流だが政治は2流。日本に政治家はいない。政治屋だけだといっていたが、私もそう思う。
 日本に帰ったら、ワクチン2回接種、入国時陰性でも2週間自宅待機ならば、だんだんそんな国に帰りたくなくなってくるのは果たして私の我儘なのだろうか。
(2021-07-23)

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