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「ROCK STYLE」 グラムロックとファッションをめぐるトークショー
70年代を席巻したグラムロックのスターとの親交でも知られる日本人クリエイター2名のトークショー「ROCK STYLE」が、6月30日、神宮前5丁目の「KYOZON(共存)」にて行われた。フォトグラファーの鋤田正義さんとスタイリストの高橋靖子さんは、ともにデヴィッド・ボウイやマーク・ボランと一緒に仕事をした経験のある、いわば時代の目撃者。その両名から、70年代を代表するカリスマの意外な素顔、当時の時代の空気などが語られた。
トークショーは高橋さんらが渡英したばかりの70年代初頭から開始。当時、デヴッド・ボウイやT-Rexといった名前は全く知らなかったという高橋さんだが、アルバム「世界を売った男」のジャケット写真でボウイのことを知り、それまでのロックスターとも一線を画す妖しさには注目していたという。そうした高橋さんや鋤田さんが、いつの間にか当時トップスターであった彼らのステージ衣装やポートレート写真を担当していたことに、若い司会者からは驚きの声が漏れた。
それに対し高橋さんからは「当時は、例えば鋤田さんの写真集を持っていって、『この人がマークの写真を撮りたいといっています』と一言言えば、その場であっさり決まってしまった。(今みたいな)エージェントがどうこうというような話は一切なかった」と、70年代ショービジネスならではの開放的な空気に言及し説明。
トークショー後半には、ボウイ、ボランの両スターのパーソナリティーに関する裏話も聞かれた。高橋さんによるとボウイの話し方や雰囲気は大変に優しく気取りがないもので、「ああ、この人は私のこと好きなんじゃないかな?と思わせてくれる人」だという。だが、「彼に関わる人全てが、きっとそのように思っていただろう」とも。鋤田さんはボウイより9つほど年上でボブ・ディランやアンディ・ウォーホルの話題に詳しかったこともあり、ボウイから「スキタはビートニクの先生のようだ」と言われたという。
マーク・ボランについては、ボウイとはまた別種のユニークな逸話も。とかくやんちゃな面が目立ったボランだが、宿泊先のホテルでは必ず一回では部屋を決めず、最初に案内された部屋にけちをつけてから次の部屋に移る性癖があったという。スターとしての自分を誇示するのに必死で、遂には若くして命を失わなくてはいけなかったボランらしいエピソードとも言えるだろうか。
当時のグラムロックをめぐる時代の空気などは、多くの人にとっては映画や書籍などでしか触れることの出来ない、半ば歴史上の出来事。だが、鋤田さんや高橋さんにとってはボウイもボランも実際に目の前で同じ時間を過ごした相手だけに、その言葉から浮かび上がるイメージも極めてリアリティのあるものに感じられる。
(2006-07-04)
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