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チュー・トゥアン・カップ駐日ベトナム大使講演会
渋谷区主催のもと、「ケアコミュニティ美竹の丘」(渋谷1)で3回に分け行われている渋谷区内各国大使の講演会。7月13日、その最後を飾る3人目に、駐日ベトナム社会主義共和国特命全権大使・チュー・トゥアン・カップ氏が登場した。
日本−ベトナム間の良好な関係をアピールすることに、最も長い時間を費やしたこの日のカップ大使。最初に取り上げた経済関連の話題でも、国内代表的大手のキャノン、新日本石油、本田技研などのほか、最近では中小企業も含め400社以上もの日系企業がベトナムに進出していることに言及。日越両国が双方にとって欠かすことのできないパートナーになっていることを強調した。
また、若者を中心に日本人旅行者の人気国上位に必ずベトナムがある点にも言及。大使自身、故国で「地球の歩き方」を片手にハノイを観光する日本の若者に出会ったことは数多く、時折は自ら話しかけ、親密な会話に及ぶこともあるという。そうした日本人に「ベトナムの何に魅かれたか?」と尋ねると、必ず返ってくるのが「文化的に親しみやすい」「景色が綺麗」「料理がおいしい」「ベトナム人が親切」などの点だそうだ。
大使によれば、ベトナムと日本両国の関係はいま「政治的にも経済的にも最良の時期」。そうした関係をより押し進め、今まで以上に強いパートナーシップを結ぶことが両国にとって必要なこととの見解を示した。
質疑応答では観客の一人から、「今の冷え切った日・中・韓の関係を改善するため、(日本同様かつて中国との戦争を経験した)ベトナムの大使として、何かアドバイスはないか」といった突っ込んだ質問も飛び出した。
これに対するカップ大使の助言は、「ベトナムと中国の関係も変動の激しいものだったが、そうした歴史的経緯を踏まえた上で、現在は友好関係が確立できている。国境問題は短期的な解決は難しい。解決には双方に多大な忍耐、自制心が必要になるが、それだけのことをする意味はある」とのものだった。
(2006-07-18)
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