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「川淵会長にレッドカードを!」 日本代表サポーター有志、オシム初戦直後に国立でデモ

「川淵会長にレッドカードを!」 日本代表サポーター有志、オシム初戦直後に国立でデモ

  サッカー日本代表の新監督、イビチャ・オシム氏の就任第一戦が行われる8月9日。この試合終了直後、試合会場・国立競技場周辺で、日本サッカー協会の川淵三郎会長に抗議を行おうとしている人々がいる。
 「川淵会長にレッドカードを!」実行委員会(荒巻丈代表)を名乗るサポーター有志たちだ。川淵―ジーコ体制で失われた4年間への忸怩たる思いと、その反省もないまま突き進もうとしているJFAへの危機感を胸に、土曜の夕方、黙々と横断幕作りに励む彼らに話を聞いた。彼らが川淵氏会長失格の理由としてあげるのは、1.「機密の漏洩(帰国会見の際のオシム失言)」2.「ジーコジャパンの総括がないことの責任」 3.「Jリーグ軽視とも思える言動」の三つだ。


――― そもそも皆さんはどういう団体なのか

「元々は面識すらなかったサッカーファン同士が、インターネットを通じて集まった。川淵会長はドイツからの帰国会見でオシムの名を漏らし、そのせいでマスコミの関心は敗戦の責任追及から一気に新監督候補に移った。大手メディアではまるで忘れ去られたかのようだったが、インターネット上ではその時も多くのファンが憤っていた。僕らもそうで、今回これをきっかけに、初めて顔を合わせることになった」

――― 最初に言い出したのは?

「実は最初に御茶ノ水(待ち合わせ場所)に集まろうと言い出した人間は、この中にはいない。さらに言えばいまだに顔も名前も分からない。しかし7月9日その人物の呼びかけにより、半信半疑のまま11人が御茶ノ水に来た。色々話しているうちに結局9人が残り、『とにかく、デモをやろう』ということになった」

――― 今はメンバーは?

「友人に声を掛けたり、ウェブで募集しているうちに、約25人(5日現在)になった」

――― 求めるのは、あくまで川淵会長の辞任なのか

「その点、必ずしもメンバー全員が一枚岩というわけではない。(今のJFA体制下では)川淵氏を辞めさせてもその後継に不安がある。しかし、川淵氏が就任してからの4年間には誰も納得していなかったし、ワールドカップでのあの戦いぶりには皆例外なく怒りを感じていた。それを押し殺すのはとても無理だった。『俺たちは怒っている』ということを、現実の声として聞いて欲しかった」

――― 川淵氏の会長としての資質を問う条文の最初に、「機密の漏洩」を挙げたのは?

「あの『オシムって言っちゃった』の発言は、組織の長として論外。なのに今のJFAは、役員ばかりでなくマスコミまで川淵会長にものが言えない体制になっている。(組織として)病気にかかった状態。治ってもらうには、病気であるとファンの側から訴えるしかない」

――― ジーコ体制の総括は、具体的にどう求めるか?

「過去の監督は必ず技術委員会が評価し、レポート提出が義務付けられていた。ジーコだけが免除されてしまった格好だが、改めてそれを求める」

―――なぜ、ジーコだけが?

「川淵氏が自分の一存で任命したからだろう。ジーコの責任が追及されることで、自分への任命責任が及ぶことを避けている」

――― 理由3についてだが、川淵氏は元々Jリーグのチェアマン。大方の人にはJリーグ発足の功労者であるという印象すらある。

「過去の功績は認めている。だが、川淵氏の任期から初めて会長に給与を払うことになったし、多くの賞も与えられ、功績に対しては十分な見返りがあったはず。僕らが許せないのは、チェアマン時代にJリーグのために作ったルールを、自分で捻じ曲げてしまった見境のなさだ」

――― というと?

「Jリーグにあった、「クラブ間の監督引き抜きを禁じる」というルールはほかならぬ川淵氏自身が作ったものだ。にもかかわらずジェフユナイテッド市原・千葉からオシム監督を強奪した。僕らはジェフのサポーターが集まったわけではないが、同じJリーグのファンとして、そのことは絶対に許せない」

―――オシム監督に対しては?

「代表監督としてベストであることは、サッカーファンならみんな思っていること。でも、逆に伺いたい。サッカーって、監督が替わるだけで強くなるものですか?」

――― ・・・・・それは、思えない。

「ベストの監督が来たから、それでもういいのか?同じファンの皆さんにひとつだけ訴えるなら、その一言に尽きる。ぜひ一緒に、声を上げて欲しい」


■「川淵会長にレッドカードを!」

日付:8月9日(水)
開始時間 : 21:25 (トリニダードトバゴ戦終了後)
集合場所 : 日本青年館玄関前

アクセス : 国立競技場から徒歩5分
コース : 日本青年館前〜外苑西通り北上〜千駄ヶ谷駅手前にて解散

公式サイト(2006-08-07)

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