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東京都児童会館新宿へ移転 跡地利用法は未だ決まらず

東京都児童会館新宿へ移転 跡地利用法は未だ決まらず

 東京オリンピックが開催された昭和39年3月に開館、以来子供らの遊びと学びの総合施設として親しまれてきた、東京都児童会館(渋谷区渋谷1丁目)が、3年後新宿に移転することが決定した。現施設の跡地利用については未定だが、渋谷・原宿地区に何らかの形で育児の場を確保して欲しいとの声は、地元母親層を中心に根強い。
 同館が開館したのは、東京都内に児童館・学童クラブが十数館しかなかった高度成長期中盤。その時代にあってこの児童会館は、工作室、図書コーナー、運動場のほか演劇やコンサートも上演できる約700席のホールまで設置。渋谷と原宿の中間という立地条件も相俟って、母子が過ごす場所として格好との評判を得た。催しなどは近年も相変わらず人気で、平成16年度は過去最高82万人の利用者数を記録した。
 しかしいまや区立の児童館・学童クラブは東京各区に総数600館前後。築40年を過ぎた建物の耐用期限が迫るにつれ、施設開設当初の目的は達せられたとの指摘も増えていた。
 そんな中この6月、東京都は平成21年末から翌22年はじめに新しい子ども向け施設を建設すると決定。新宿区北新宿4丁目の都有地に開設予定のこの「子ども家庭総合センター(仮称)」に、現児童会館も統合移転すると発表した。
 同施設は児童虐待、非行、不登校など、現代の育児にまつわる様々な問題への対応を目指したもので、遊び場としての機能を一部残しつつも事実上縮小。敷地面積などから見てもホールなどの設置は困難な見込みで、昭和40年前後にはさほど深刻視されなかった「親への支援」をより優先的課題と捉えている。
 閉館となる現在の児童会館だが、跡地に関しては売却、建物の取り壊しなども含め一切が未定。今後出されるはずの都の決定が待たれるが、渋谷・原宿に子育ての場が少ないことはかねてより指摘されるところ。地元の母親層からも、「必ずしも大型施設である必要はないが、何らかの形で親と子が遊ぶための場は残してほしい」との声は寄せられている。
(2006-08-25)

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