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渋谷区、マンスリーマンション等の規制条例制定へ 違法性風俗の拠点潰しに狙い

渋谷区、マンスリーマンション等の規制条例制定へ 違法性風俗の拠点潰しに狙い

 渋谷区は14日、マンスリーマンションやウィークリーマンションなど短期賃貸マンションの新規建築を、全国に先駆け規制すると発表した。
 この条例案は6月制定された「渋谷区ラブホテル規制条例」とのセットで、違法性風俗の拠点を新規に作りにくくするのが狙い。21日からの第3回定例議会で審議・可決した上、年内にはラブホテル規制条例との同時施行を目指す。
 すでに制定された「ラブホテル規制条例」だが、この審議の際、暴力団による性の売買を押さえ込むには抜け穴が多いとの指摘が野党などから噴出。「ラブホテルだけを単独規制した場合、却って別のアンダーグラウンドな場所での性風俗を助長しかねない」との懸念が持たれていた。
 危惧された「別の場所」のひとつが、今回規制対象となるマンスリーマンションやウィークリーマンションなどの短期集合住宅。「敷金・礼金・保証金不要」を謳い、数週間、数ヶ月単位での賃借ができることから企業の研修などに用いられる一方、各種違法性風俗の温床になりやすいと言われていた。
 これらのマンションはいずれも厳密な定義に基づくものではなく、建設の際は「集合住宅」「旅館」などと届出されるのが現状。それを今回の条例では、「共同住宅の一部または全部」を、敷金・礼金・保証金なしに「原則7日以上2年未満の期間」賃貸する施設と定義。さらに時間単位で貸し出すレンタルルームも別途規制対象に加える方針だ。
 ラブホテル規制条例の「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」のような罰則規定はないこの条例だが、施行後は住居専用地域や文教地区での共同住宅建設に細かい条件のクリアが必須化。建築に先立ち区長への同意申請、さらに周囲200メートル以内の住民への説明会開催(及び区長への報告)が義務付けられるもので、違反が見つかった場合は改善勧告や各種の中止命令も出される。
 なお、同条例でカバーしきれない課題としてすでに指摘されているのが、商業地域を中心に林立する雑居ビル。急増するデリバリーヘルスなどもこうした場所を拠点とするケースが多く、こうした施設を対象としないことに実効力を疑う声もある。これに対して区安全対策課では、条例施行により警察の重点警戒エリアを繁華街に限定できるとの見解を表明しているが、今後も現行風営法との兼ね合いの中、どこまで抜け穴を塞げるかが議論の焦点になりそうだ。

(2006-09-15)

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