原宿新聞

渋谷区生活福祉課で相談者逮捕　相談中にナイフ見せ

　11日の午前8時50分頃、渋谷区役所総合庁舎（渋谷区宇田川町１）の生活福祉課窓口に来ていた男が職員との相談中、突如ナイフを取り出し逮捕される事件があった。
　逮捕されたのは住所不定・無職の内山勝容疑者（72）。調べによると内山容疑者はこの日、自身の入院先について相談しようと酒に酔ったまま同課を来訪。担当職員と窓口近くのソファに腰掛け相談を受けていたが、その合間、突然刃渡り9.8センチメートルの果物ナイフを取り出したもの。
　「そんなものはしまいなさい」と注意する職員に対し、同容疑者が拒否したため区ではやむなく警備を要請。さらに続く通報で渋谷署員が駆けつけ、銃刀法違反と殺人未遂の現行犯での逮捕となった。
　区生活福祉課によると内山容疑者は住所不定で、公園テント等でもなく路上中心と見られる生活。こうしたことから数年前より渋谷区生活福祉課を訪れ保護を要請、そのたびに宿泊所、病院などの紹介を受けていたもの。先週8日には自分自身で救急車を呼び入院したが、「特に問題なし」と診断され退院したばかりだった。
　同課では、これまで内山容疑者の相談に応じて宿泊施設などを紹介してきたが、同容疑者の側がそのたびに短期で退所。その後また保護を要請する繰り返しになっていた。このため同課としても、助けを求める内山容疑者に対し「本人が何を望んでいるのか分からない」状態が続いていた。


（2006-12-12）