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東京メトロ「副都心線」来月開通へ　渋谷―新宿―池袋を結ぶ

東京メトロ「副都心線」来月開通へ　渋谷―新宿―池袋を結ぶ

　都内13番目の地下鉄となる「副都心線」が、来月6月14日（土）開通する。渋谷、新宿、池袋の「三大副都心」を一直線上に結び、将来的には埼玉〜東京〜横浜間を乗客に乗り換えさせることなく縦断。区間に複数の駅を擁する原宿〜渋谷エリアにとっても、波及してくる効果は大きくなりそうだ。
　副都心線が結ぶのは、埼玉県南部の和光市から渋谷までの20.2�劼龍茣屐�このうち渋谷から雑司ヶ谷までの区間で線路、トンネルともに新設しており、その間に「渋谷」「明治神宮前」「北参道」「新宿三丁目」「東新宿」「西早稲田」「雑司ヶ谷」の7駅を設置。
　さらに池袋から和光市までの区間を、既存線である有楽町線と線路共有の上で運行。「池袋」「要町」「千川」「小竹向原」「氷川台」「平和台」「地下鉄赤塚」「地下鉄成増」「和光市」の9駅（千川、要町駅には副都心線専用のホームも新設）が結ぶ。渋谷からの所要時間は、各駅停車が池袋まで16分、急行が11分。同じく和光市までの所要時間は、各駅35分、急行が25分。
　開業と同時に、和光市駅にて東武東上線と、小竹向原で西武有楽町線との連結運転を開始。埼玉県南部と三大副都心を乗り換えなしで結ぶほか、2012年には、渋谷駅にて東急東横線との直通運転を予定。実現の暁には、埼玉県西部から三大副都心を経て、神奈川県横浜方面までが結ばれる、首都圏の大動脈が完成する。
　加えて、本路線の開通により期待できるのが、ＪＲ山手線、同埼京線をはじめとする既存路線の混雑緩和。東京メトロがトンネル掘削以前に行なった試算によると、副都心線の一日の乗降客数は開業直後で13万人、認知度が浸透するに従って28万人程度まで増えると見込んでおり、朝夕の通勤ラッシュの緩和にも、相当の効果が見込まれる。
　また、ルートの大半は明治通りの地下を通ることから、明治通りの慢性的な渋滞の緩和にも、効果が期待されている。
13日（金）には、新宿三丁目駅にて開通式を実施。都議会議員らを招き、盛大にスタートを祝う。


◆　駅はこうなる

「副都心線」は、渋谷区内にある「渋谷」「明治神宮前」「北参道」の3駅にも停車。このうち渋谷駅と明治神宮前駅はメトロの既存路線と駅を共有するが、渋谷区千駄ヶ谷3丁目に開く北参道駅に関しては、全くの新設となる。
　渋谷駅と明治神宮前駅は、新宿三丁目駅とともに、ホームの一部が開放感のある吹き抜け構造（図参照）になっているのが特徴。上層階のコンコースから駅を見渡させるようになっており、地下鉄特有の「閉鎖空間」というイメージを払拭するのが狙い。
　2012年に東急東横線との連結運転が予定される渋谷駅では、建築家の安藤忠雄氏が設計を担当。安藤氏による、宇宙船ならぬ「地宙船」とのコンセプトに基づいた、ホーム頭上からコンコースまでの駅空間を、直径約80ｍの楕円で包み込むデザインが話題を呼んでいる。


（2008-05-16）

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