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神宮前一、三、四丁目、新地区計画原案とりまとめへ

 原宿でも特に居住者人口の多い「神宮前一、三、四丁目地区の地区計画」の原案が一年以上の協議を経て、この秋を目処にまとまる見通しだ。
「地区計画」は、まちづくりの方向性とルールを定める上での指針となるもので、地元住民、企業、商店などが自ら協議した上で、建物の高さ制限や風俗店の進出禁止など、まちづくりに関する一定の規制案を策定。一方で、建物の容積率や斜線制限などの各種規制に関しては、必要に応じて一部を緩和することもできるというもの。
今回はこの原案を定める段階で案が定まった後には、地元の「まちづくり協議会」に提出。ここでさらなる審議を経て、新地区計画としてまとめられるという流れだ。
渋谷区では平成19年中にこの原案を取りまとめるため、昨年7月より「まちづくり懇談会」(事務局・渋谷区地区まちづくり係)を設置。月1回のペースで懇談会を開き、地域の住民による意見すりあわせを図ってきたが、意見集約に予想以上の時間を要したことから、原案作成は平成20年度に持ち越しになっていた。
約一年の時間を掛けて行なわれたこの懇談会において、話し合いの主眼となったのは、変貌する街にあって、「いかにして古くからの住民が、住み続けられるようにしていくのか」を探る方法の模索。
近年、神宮前地区は不動産ファンド、リートなどにより土地買い増しなどが著しく進行したが、昨年に入ってからは、サブプライムローンの破綻による、不動産市況が低迷。すると今度は一転して、デベロッパーの開発が中断、地域のそこかしこにコインパーキングが増えるような事態が起こっている。
住民からは「デベロッパーの土地買い増しに歯止めを掛けてほしい」との声が上がるとともにキャットストリート沿いのエリアなどからは、「商売の自由度を上げるよう規制緩和してほしい」などの意見も。バブル期を彷彿とさせる地下急騰などの動きに翻弄され、地元住民からは様々な意見が出された。
区としては一年以上にわたり、その刷り合わせに腐心してきたが、それがこの秋を目処に、ようやくまとまる道筋が付いた模様だ。
いずれにしても、神宮前一、三、四丁目は、竹下通り、裏原宿、渋谷川遊歩道(キャットストリート)と、それぞれに商業地の性格が強い通りを擁しながらも、同時に居住人口が多く、住宅地の色彩も強い場所だけに、両者のバランスを良好に保つルールを制定される見通しだ。
(2008-07-16)

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