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高まるバイク駐車場のニーズ、行政は助成と検索サービスで対応

高まるバイク駐車場のニーズ、行政は助成と検索サービスで対応

 道路交通法改正に伴ってオートバイの駐車違反取締りも厳しくなり、地域の環境対策ともあいまって、原宿・神宮前エリアでもバイク駐車場へのニーズが高まっている。
 バイクも違法駐車の取り締まり対象とした、道路交通法の改正は2006年6月。その春に開業した表参道ヒルズは、地下4階の駐車場に、四輪車用182台、バイク用35台のスペースを設けているが、バイク駐車場の利用率は年々高まり、「1日当たり1000円」の料金設定にもかかわらず、ほぼ満杯状況という。今春、旧日本社会事業大学跡地に移転・オープンした新しい原宿警察署の脇を入った、建設中の新中央図書館横には、細長い土地を有効活用する形で24時間営業の「神宮前1丁目バイク駐車場」が新設されている。16台収容で、車体の限度は全長2・2メートル、最大幅1メートル。料金は30分100円、最大600円で、こちらも中、大型車を中心に、ほぼ満杯状況だ。
JR原宿駅に近い代々木ゼミナール造形学校の脇を入ると、民間専門業者のバイクタイムズ原宿が月ぎめ11台分、時間貸し10台分で営業中。30分100円、最大1000円で、「駐車後24時間」の注釈がついている。
 2006年9月に、渋谷区で10箇所目、原宿で初のバイク専用駐車場として旧渋谷川遊歩道(通称キャットストリート)の細長い遊休区有地に新設された「神宮前自動二輪等駐車場」(14台分)も、ファッションスポットだけに利用率は高い。にもかかわらず、その後の公共専用駐車場の開設は、あまり進んでおらず、駐車違反は依然として多い。 
需要に供給が追いついていない実態は、渋谷区役所でも認識しており、「地価の高さがネックだが、民間の動向も見ながら、場所が確保できれば」という。
東京都道路整備保全公社が実施した2008年度の路上駐車実態調査によると、都内29エリアのうち、平日で28エリア、休日で26エリアが「需給バランスが取れていない状況」だ。
こうした矛盾を解消する方策として、同公社では、駐車場開設への助成制度を設け、さらに、駐車したくても、どこに停めたらよいか分からないライダー向けには検索サイト「S−パーク・フォー・ライダーズ」を推奨している。
「自動二輪車用駐車場整備助成」制度は、東京23区に整備する駐車場で、東京都が推進する「ハイパースムーズ作戦」、区が推進する違法駐車解消重点地域などが対象区域。新設または既存駐車場の改造で新たに10台分以上を整備し、半分以上を時間貸しとしたバイク用駐車場で、「整備後、3年以上の運営」などを条件に、「1台当たり10万円以内、30台まで」の助成を行う。各区役所が窓口となっており、渋谷区の場合は土木部管理課管理交通係(電話03・3463・2774)。
渋谷、港、中央、豊島といった、中心部にファッションエリアの多い区がとりわけ熱心で、杉並、世田谷などは独自の助成制度も設けている。
また、ライダー向け検索サービスでは、開始した2005年9月当時の登録件数は、37駐車場・800台だったのが、2009年6月末には284駐車場・7000台まで大幅に増加。このほか、昨今は一覧表・図解入りの「都内オートバイ駐車場MAP」も作成・配布するなど、周知に努めている。
従来は、バイクの路上駐車は台数も少なく、四輪車ほど場所もとらなかったため、大きな問題とはなっていなかったが、近年、バイクの歩道上への駐車が顕著となり、歩行者や車椅子利用者の安全な通行が妨げられるとして、違法路上駐車の取り締まりが強化されてきた。
商店街進行組合表参道欅会でも、環境部会を中心に、毎月第4木曜日の午後1時半から違法駐輪対策活動として、自転車、バイクの取り締まりを続けている。
(2009-07-29)

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