原宿新聞

クラシックカーラリーがゴールセレモニー、13日夕刻、出発地の明治神宮で

　100台以上ののクラシックカーが4日間かけて、公道約１６００キロメートル（約1000マイル）の道のりに挑戦するクラシックカーラリー「ラ・フェスタ・ミッレ・ミリア2009」が最終日を迎え、13日の夕刻、原宿・明治神宮でゴールセレモニーが行われた。前回までは明治神宮前を出発してゴールは横浜だったが、日本で13回目を迎えた今年は、ゴールが出発と同じ明治神宮前となったこともあって、特別協力した商店街振興組合原宿表参道欅会からは、松井誠一理事長はじめ主だった役員が、完走した選手たちを揃って出迎え、1都9県に及ぶ過酷なレースの労苦をねぎらった。
　10月10日（土）に明治神宮前を出発した102台（エントリー１０３台）の“走る芸術品”ともいうべき、色とりどりの名車は、「古いものに敬意を」「いくつになっても心、少年」「イベントに参加する全ての人々と友情の輪を広げる」という第1回大会からの不変の基本精神のもと、東京はじめ埼玉、群馬、栃木、福島、宮城、山形、茨城、千葉、神奈川の1都９県で交流を深めながら14日、再び明治神宮に戻ってきた。
　スタートした102台のうち、順位付けの対象となった完走車は79台で、優勝はカーナンバー3番の竹元京人・淳子さん夫妻（東京）のペア。タレント・著名人の結果は、近藤真彦さん14位、東儀秀樹さん28位、堺正章さん39位だった。
　過去2回の優勝経験（1998年、2000年開催大会）を持つ司会者・タレントの堺正章さんは、予定時刻より大幅に遅れて午後6時過ぎにゴールイン。開口一番、「ああ、終わった。もう走らなくていいんだよね。マッチと間違えられたり、ミスやトラブルもあってドラマも生まれたけど、沿道で旗を持ったりしてすごい数の人たちに励まされて、やっと暗闇の明治神宮にたどり着けた。スリルのある大会で、後は上位入賞を祈るのみ」と、ユーモアたっぷりに挨拶した。
　逆に「堺さんと間違えられて、マチャアキ〜という声援がすごかった」と笑わせた歌手・俳優の近藤真彦さんは「夜中の1時ごろまで交流して、朝は6時起きというハードスケジュールだったけど、おじさん達の元気さには45歳の僕も参った。沿道からの、骨折していた肩甲骨は大丈夫か、といった励ましに支えられて楽しく、ゴールインできた」。
　一方、本場・イタリアの「ミッレ・ミリア」に参加して、日本人トップの成績で完走した経験を持つ雅楽奏者の東儀秀樹さんは「ずっと好調に走ってきて、今日は突然のエンジントラブルで、一時はもうゴール時間に間に合わないかと思ったが、直して直して、そして声援に支えられて、何とか間に合った」と悔しさをにじませた。東儀さんのナビゲーターとしてペアを組んだ写真家・モデルの霧島ローランドさんも「初めての参加で、色々あったけど、貴重な経験になって、楽しかった」。
　共通しているのは、「沿道の声援に支えられて、ワクワクしながら完走できた。車が好きだし、来年への意欲もわいてきた」ということ。
　「ラ・フェスタ・ミッレ・ミリア」は1927年、イタリアのブレシア〜ローマ〜ブレシア間の１６００キロメートルを走るレースとして始まり、現在はクラシックカーラリーとして開催されている「ミッレ・ミリア」の70年の伝統を受け継ぎ、日本では1997年に誕生した。毎年10月に開催され、スピードを競うのではなく、スタンプポイントを全てクリアできるか、決められた距離を規定のタイムにどれだけ忠実に走れるかを競うタイムトライアルラリー。参加者は一般人をはじめ会社オーナー、文化人、芸能人など幅広く、年齢も20代から70代まで様々。　アルファロメオ、ブガッティ、メルセデスベンツ、ＢＭＷ，ベントレー、フェラーリなどの世界の名車とともに、日本でも本場イタリアに負けないレースを繰り広げている。
　これまでの12年間に、延べ1100台以上のクラシックカーが参加しており、各地域の沿道に集う観衆など、ラリーを取り巻くすべての人々が一体となれる「1年に１度の祭典」として、開催されている。
（2009-10-13）