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ドイツ紀行 郊外の街を訪ねて
ロンドンから足をのばし15,6年ぶりにドイツのある街を訪ねた。ライン川の湖畔、人口80万人ほどの自然豊かな郊外の街だ。
空港ロビーは、おおげさではなく塵もおちていないような清潔な雰囲気。前回も感じたのだが、何かドイツの経済的な懐の深さのようなものを感じた。空港からタクシーに乗ると、そこは片側4車線のだだっ広いアウトバーンが走っている。この道はヒットラー時代の軍事的産物だが、後世の人たちの交通に役立っているのは確かだ。道路沿いには1面木々の群れ。東京では味わえない季節感を堪能した。
街の中心にはライン川が流れており、河川敷は一面の緑だ。眺めていると、何隻もの貨物船が往来、絵葉がきにでもあるような雄大な風景だ。街なかは、築50―100年たった建物が並び、ヨーロッパの歴史的な風情を感じさせてくれた。
ここに20年近く住む知人によれば、メッセを中心とした商業の街。私見だが、ドイツ人のお金に対するこだわりは日本人の10分の1ぐらい。それよりも、自分らしい暮らし、自分らしい生き方を大切にしているという。ある意味頑固といえば、頑固。横ならびではなく、確たる自己があるのだろう。確かにヨーロッパの周辺地域含めドイツ人は英語を最もしゃべらないのではないか。これも英語は英語、ドイツはドイツらしくといった自己の表れか。子どもと犬のしつけはドイツ人にまかせろという格言がヨーロッパにあるほど、しつけがよく、金銭的な貧富の差に関係なく非行にはしる少年たちはほとんどいないらしい。
同じ敗戦国の日独。東ドイツを合併したことで、経済的にはかなり混迷したようだが、この街の悠然とした豊かさはいったいどこからくるのか。焦土と化した面影は微塵もない。東京は世界で最も発達したメトロポリタンとなった一方、犯罪、教育も含めた大きな陰をうみだした。いま求められているのは、もはや金だけではない、確たる精神的な土壌ではなかろうか。
(2005-11-01)
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